【生放送!とことん共産党】都政転換へ 宇都宮知事候補 大いに語る/小池書記局長 具体的政策 ここまで語れる人はいない

宇都宮けんじ都知事候補(右)をむかえて行われた「とことん共産党」。左は小池晃書記局長=19日(WEB版「しんぶん赤旗」より)

日本共産党のインターネット番組「生放送!とことん共産党」は19日、東京都知事選に立候補した宇都宮けんじ氏を迎え、小池晃書記局長らと「都知事選勝利で、新しい東京を、新しい日本を」をテーマに語り合いました。

ゲストとして共産党の白石たみお都議が出演しました。司会は朝岡晶子さん。

PCR検査 抜本拡充

小池百合子都政の4年間をどう見るかと問われた宇都宮氏は、小池知事の“公約違反”を指摘。
そのうち築地市場の豊洲移転問題をあげ「築地を守ると言いながら結果として豊洲に移転した」と批判しました。

小池都政が一丁目一番地としていた「情報公開」については「築地やカジノの問題で情報開示を要求すると報告書は“のり弁”(黒塗り状態)だ。こうした裏切りで当初の期待がしぼんでいる」と語りました。

小池晃氏は「パフォーマンス先行の都政運営は新型コロナウイルス対応にも表れている」と提起しました。

宇都宮氏は「(小池知事は)五輪延期が決まった途端に感染爆発の重大局面などと言い出した」と東京五輪・パラリンピック優先で初動が遅れたと指摘。
「本当の意味で都民の命や健康を守る姿勢が乏しい」として、小池知事が東京アラートを解除した翌日に出馬表明をしたことについて「解除後も感染者は増え続けている。基準があまりに恣意(しい)的だ」と批判しました。

宇都宮氏は、小池知事が保健所を大幅に減らしたことを反省せず、コロナ禍のもとでも都立・公社病院の独立行政法人化を撤回しないなど「感染症に備える医療体制の整備をしていないのは深刻な問題だ」として、PCR検査体制の抜本的拡充や医療現場への財政的支援の必要性を強調しました。

ジェンダー平等期待

カジノを中核とする統合型リゾート(IR)について「小池都知事は『稼ぐ都政』と言ってカジノ推進だ」と述べた小池晃氏に対し、宇都宮氏は「カジノは負けた人の犠牲が大きいほどもうかる仕組みになっている。多重債務問題が再燃する危険性がある。人の不幸の上に立った経済成長を考えること自体が政治家としての道徳的・倫理的な堕落だ」と主張。
「カジノがなくても外国人観光客は新型コロナが拡大するまでは増えていた。日本の文化や伝統、自然環境が魅力になる」と語りました。

延期が決まった東京五輪・パラリンピックについては「WHO(世界保健機関)をはじめ専門家が開催は困難だと判断した場合には中止する。そうすれば開催資金をコロナ災害で犠牲になった都民の支援にまわすことができる」としました。

「自分は都立の定時制高校出身」だという白石都議は、小池都政のもとで定時制高校が廃校に追い込まれ、「定時制の卒業生からも『宇都宮さんに知事になってもらって定時制を守ってほしい』という声がある」と紹介。

宇都宮氏は「定時制高校の維持拡充は私の重要政策の中の一つだ」と述べ、すべての高校の授業料無償化など誰もが学べる東京の実現を語りました。

朝岡さんは、宇都宮氏のジェンダー平等社会を推進する政策に「期待する女性も多い」と紹介。

宇都宮氏は「第2次安倍政権は『女性が輝く社会』を掲げていたが、世界的な調査では日本の男女平等の地位はどんどん下がっている」と厳しい現状を示し、「世界では今回のコロナ対策を見てもドイツのメルケル首相など女性が活躍している。そういう政治家が出てくるような社会にしないといけない」と語りました。

運動の幅が広がった

小池晃氏は「2012年、2014年の都知事選との決定的違いは野党共闘の画期的な広がりにある」と発言。

宇都宮氏は「共産党と社民党、新たに立憲民主党に支援を決めていただいた。国民民主党の小沢一郎さんらにも応援していただき、運動の幅が大きく広がった。それと同時に今まで培ってきた市民運動も広がっている」と応じました。

その上で「コロナ災害で被害を受けているのは野党を支持する人だけじゃない。与党支持者にも届くように運動を広げていければ、都政を転換する最大のチャンスになる」と訴えました。

小池晃氏は「都政に対する情熱や、具体的な政策をここまで語れる人は宇都宮さんしかいない。東京、日本を変えるために必ず都知事に押し上げましょう」と呼びかけました。

最後に白石都議は、立憲民主党の都議団が都立病院の独法化反対に踏み切り、宇都宮勝利を一体でめざす努力が進んでいることを紹介。
都知事選と同時に行われる東京都議補選の北多摩3区、日野市区、大田区、北区の4選挙区での野党候補勝利を訴えました。

(2020年6月21日付「しんぶん赤旗」より)