都議会予特委 都立校則問題

2020年3月23日 ,

「地毛証明」は人権問題
池川都議が中止求める

 池川友一都議は12日の都議会予算特別委員会で、頭髪の規制や肌着の色指定など、子どもの人権を尊重しない都立学校の校則について、「学校が生徒の意見を真剣に考慮し、見直すべきだ」と追及しました。
 都立高校の校則をめぐっては昨年6月、生来の髪の色を理由に染めるか、切るかしないと授業を受けさせないという人権侵害の指導がされていることを、本人の声をもとに池川都議が都議会で取り上げました。その後、都教育委員会は人権尊重の理念に立ち、生来の頭髪を一律黒染め指導はしないとの通知を出しました。

 共産党都議団の校則調査では、8割超の都立高校(全日制)で頭髪についての規定がありました。池川都議は、この調査結果を紹介した上で、ツーブロック(耳周りを短めに刈り上げ、上部は長めにしてかぶせる髪型)など、社会で広く受け入れられている髪型でも禁止する学校があり、生徒に「ルールで決まっているから」と、きちんとした説明ができない事例を指摘。こういうルールが本当に必要なのか議論すべきだと提起しました。
 さらに問題だとしたのが、くせ毛や髪の色が明るい生徒に、「地毛証明書」の提出を事実上義務化している学校があることです。池川都議は「『学校が決めた標準から外れているから異端だ』と『証明』するものだ。人権尊重の理念とは相容れない」とのべ、やめるよう求めました。
 池川都議は、岐阜県が県立高校の校則を公開し、見直しに取り組んでいること、国連では子どもの意見表明権の保障を勧告していることを紹介。「生徒や保護者の意見を聞き、校則を見直すべきだ」として、知事の考えをただしました。
 小池知事は「子どもがあらゆる場面で権利の主体として尊重される必要がある」と答弁。藤田裕司教育長は校則見直しについて、「生徒の意見、保護者の意識、社会状況」を踏まえ行なうものと答えました。

シルバーパスの改善

 池川都議は、70歳以上の都民が都営交通や民間路線バスで利用できるシルバーパスの改善を求めました。同パスは都県境を越える民間バス路線で利用できません。池川都議は町田市では、神奈川県境でこうした路線が集中しているため、利用者が不便を強いられていると指摘。利用者の声や都営交通では都県境を越えた路線でも利用できることを紹介し、改善を求めました。