東京都 青海にカジノ・IRを検討

共産党都議団 入手の公文書で判明
 横浜市の林文子市長がカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を表明し、大きな問題となる中、東京都も湾岸エリアの青海地区北側(江東区)をあげて同施設の誘致を検討していることが6日、日本共産党都議団が情報公開請求で入手した都の公文書で分かりました。6日開いた記者会見で、大山とも子幹事長、尾崎あや子、あぜ上三和子両都議が明らかにしました。

「誘致断念」求める

 共産党都議団は、都に情報開示請求して入手した74点の公文書を分析。
①IR・カジノ施設は当初から臨海副都心青海地区北側を想定
②カジノを含むIR導入を具体的詳細に検討
③小池百合子知事はカジノを含むIRについて了承していた
④開示された多くの資料が黒塗りだった
─と指摘しています。
 共産党都議団が公開した資料によると、都は2014年度に三菱総研に委託して「臨海副都心における公共空間の一体利用等調査」と題した報告書を作成(15年3月)。カジノを含めたIRの候補地として、青海地区北側、品川・田町間、築地市場跡地を比較調査し、青海地区北側が最も適していると評価しています。
 この調査では同地区で具体的にゲーミング(カジノ)施設を含んだIRを検討しています。2018年6月11月に港湾局が作成した「IR整備法案の概要について」という文書では、IR事業者公募、公聴会開催、都議会の議決などIR・カジノ開業に向けたスケジュールまで作成しています。

「カジノは採算性を担保」都が位置づけ高める報告書に

 2018年度の委託調査報告書に関わって、調査会社(トーマツ)が当初、IRの記述について「カジノと中核施設から構成される一群の施設とこれらと一体的に設置されるその他の施設」としていたのを、都が「カジノの高い収益性を活かして、大規模投資を伴う観光施設の採算性を担保する事業スキーム」と、IRの中でのカジノの位置づけを大きく高める文書にわざわざ変更するよう指示。その結果、報告書は指示通りの文言に改められています(図参照)。
 こうした検討は、小池百合子知事にも報告され、知事も意見もつけず了承していることが資料で明白になりました。18年10月24日付文書では、IRに関する国の自治体意向調査に対し副知事、港湾局長が「検討している」との回答文書案を示し、小池知事は「事案について了承(意見なし)」と記していました。

情報公開の公約にも違反 公表資料の多くが黒塗り
 小池知事は就任当初、「IRというのはカジノだけではない」(2016年9月2日の記者会見)と発言し、直近の会見(8月23日)の記者会見でも、カジノという言葉は使わずにIRというのは「メリットもありデメリットもありということで検討していく」と発言しています。
 しかし今回、共産党が公表した資料で、実態は明確にカジノ誘致の調査・検討をしていたことが分かったのです。しかも共産党都議団が公開した74点の資料全てを都は公表してきませんでした。さらに、今回公表した資料の多くが黒塗りされ、都の職員が税金を使ってイギリスとアメリカに行き、ギャンブル依存症対策について聞き取り調査をした報告文書まで、全て黒塗りでした。
 尾崎都議は「カジノ誘致という重大な検討を都民に隠して進めることは“情報公開が一丁目一番地”とする小池知事の公約に反する」と厳しく指摘。「カジノ、ギャンブルは、人の不幸の上に成り立つ商売だ。住民福祉の増進が使命である自治体がカジノに手を出すことは許されない」とのべ、カジノ誘致は断念すべきだと訴えました。

代表質問で追及 知事答えず

 9日の都議会代表質問でも、とや英津子都議が知事を追及。情報公開請求で公開された黒塗りの文書「IRにかかる国の自治体意向調査」への都の回答(18年10月)を拡大したパネルを掲げ(写真)、「『カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致を検討している』と回答したのではないか」と知事をただしました。
 さらに情報公開文書で明らかにした委託調査会社がつくる報告書について、「カジノの高い収益性」など、カジノの利点を強調する表現に変更するよう求め、都の要求通りに書き換えられた問題について、知事は知っていたのかと質問しました。
 小池知事は答弁に立てず、古谷ひろみ港湾局長が答弁。都の回答の内容についてまともに答えず、報告書の書き換えは、事業者との打ち合わせで報告書の充実を求めたもので、「利点だけを強調するものではない」と強弁。知事は知っていたのかという質問には答えられませんでした。