【築地場外市場】共産党中央区議団が調査 売り上げ減3~7割「地上げ屋が入り大変」

築地市場の豊洲移転で、築地場外市場への来訪客が激減し、飲食店や商店は売り上げが大幅に減り、周辺では地上げ屋が横行して虫食い的な乱開発が加速していることが、日本共産党中央区議団の調査で明らかになりました。

築地場外市場のマグロ専門店の店主から聞き取り調査を行う奥村、加藤両区議ら=20日、東京都中央区築地(「しんぶん赤旗」提供)
調査は、おぐり智恵子、志村たかよし、加藤ひろし、奥村あきこの各区議と党地区委員会が11月初旬から築地場外市場の飲食店や商店、住民などを対象に行ったもの。23日までに約150件の回答がありました。

調査内容は、

(1)築地市場移転の影響
(2)築地市場は戻ってきてほしいですか
(3)築地跡地に何を望みますか
(4)中央区への希望

の4項目。

築地移転の影響について、「混んでいた交差点がガラガラ」「お客が減った」という声が多数で、売り上げが3~7割減った店舗もありました。
「影響はない」「初めは厳しかったが、お客は戻ってきた」は少数で、移転を機に廃業した店もありました。

築地市場については「できれば戻ってきてほしい」が多く、築地跡地に「カジノはいらない」の声も目立ちました。

地上げ屋が入り小さなマンションやホテルが建ち、来年1月18日に築地6丁目の中央築地六郵便局が営業終了すると「生活している人のライフラインが閉ざされてしまう」との声も。

加藤区議は「聞き取り調査をもとに、奥村区議が11月26日の区議会本会議で質問しました。
引き続き調査を行い、寄せられた要望を都と区に伝え、築地のまちづくりと場外市場の活気の維持発展のために力を尽くします」と語りました。

調査から

■豊洲に客が流れ、飲食店が少ない客を取り合っている(海鮮屋)
■1日の売り上げが移転前の30万~40万円から20万円に半減した(海鮮丼屋、居酒屋)
■市場関係者のお客が来なくなった。7割減(居酒屋)
■客が3分の1減った(コーヒー店)
■お客は半分以下に。なじみの客が来なくなり、電話で注文を受け宅配便で送っている(鮮魚店)
■会社が減り、売り上げが半減した(うなぎ屋)
■(築地に戻ってほしいと)場外はみんなそう思っているんじゃないの?(乾物店)
■豊洲は買い物が大変で築地場外で仕入れる人もいる(漬物屋)
■大型流通施設は豊洲に残し、築地は仲卸・物販の機能を中心とした町に(理髪店)

この他、

■事務所が移転して空き室が増えた
■マンションやホテルが乱立。町会員が減っている
■地上げ屋が入って大変。共産党はどう考えるのか
■都の解体工事の住民説明会が不十分

の声もありました。

(2018年12月24日付「しんぶん赤旗」より)