〝とんでもない〟街に怒り 来年10月 消費税10%増税

2018年12月5日


 来年10月から消費税が10%に引き上げられることに「生活ができない」「商売を続けられない」との声が起こっています。安倍自公政権が軽減税率やクレジットカードによるポイントでの還元を公表していることにも、矛盾と混乱が懸念されています。消費税増税について街の声を聞きました。
 
豊島区 商店街 40年続く八百屋 「店を閉めます」
 「消費税10%増税は絶対にやめてほしい」。商店街は〝怒りの声〟が渦巻いていました。かつての賑わいを失った豊島区東長崎駅周辺南側の商店街(5商店会)。消費税増税中止の署名用紙を持って、地元のかきうち信行・共産党議員と訪ねました。

 店を続けて40年という八百屋の店主(63)が、かきうちさんの顔を見るなり、切り出しました。「12月で店を閉めます」。驚いて後の言葉がない、かきうちさんに胸の内を話し始めました。

 来年6月、駅前にスーパーマーケット西友ができれば、お客が取られてしまうこと。消費税10%増税も大きなきっかけになったのだと―。「(増税分をポイント還元するため)カードを使えるようレジを代えろとか、スキャナを買えなどと言われて、もうやっていられないです」

 お客のニーズを考え、一人暮らしの人にと14種類のサラダ用野菜をそろえ、白菜漬けやおでんを販売して好評でした。「食品は8%というけど、ビニール袋など仕入れ経費がかさみます。消費税は全廃してほしいです。結局、小売りの時代は終わりということじゃないですか」

 クリーニング店の清水三穂さん(75)は深刻な実情を切々と語りました。
 「消費税を外税にしてプールしていますが、運転資金に回すこともあり、2、3回に分割して払っているのが現状です。お客さんに転嫁はできません。10%になればもっと苦しくなります」

何としても中止
 クリーニング店が使う燃料やビニール、洗剤などは全て石油関連商品。中東情勢も影響し、出費はかさむ一方です。「他の店じゃできない染み抜きなどの技術で客をつなぎとめるしかない。従業員の時給もあげられません。もう何ともならないですよ」

 そして、かきうち議員に要望しました。「このままじゃ、我々は生き残れないですよ。議会あげて10%を食い止め、せめて8%に抑えてほしい」

 電気店を経営する鈴木肇さん(60)も「これ以上、消費税を絶対に上げてほしくないです」と強い口調で言いました。これまでも、単価の高い電気製品を少しでも安く感じるよう、価格を税込みで表示するなどしてきました。西友ができたときの影響も考えると、ダブルパンチは必至だと言うのです。

 深刻な実態を目の当たりに、かきうち議員は「消費税の10%増税は何としても中止させなければ。区としてもあらゆる支援策を講じるよう頑張りたい」と決意を新たにしていました。