汚染・ひび割れにふれず

東京都議会第3回定例会が19日開会し(10月5日まで)、小池百合子知事は所信表明で、築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)への移転について、高濃度の汚染物質が残っているにもかかわらず「新市場の環境が万端に整う」として強行する意向を示しました。

豊洲新市場では、7月末に公表された地下水調査結果でも、土壌汚染対策後最高となる環境基準の170倍のベンゼンや、猛毒のシアンが検出されています。今月には新市場の11カ所で、地盤沈下によるひび割れが生じたことが判明しました。

知事は所信表明でこれらの問題にふれないまま、「市場開設者として安全宣言を行い、農林水産大臣による認可も受けた」と強調。「日本の中核市場へと育てていきたい」と述べました。

知事はまた、今定例会で提出した人権条例案について「性自認・性的指向による不当な差別的取り扱いや、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取り組みを推進する」と発言。中小企業振興条例案を12月議会に提出する意向を示しました。

今定例会で日本共産党都議団は、公立小中学校の体育館などに対する冷房設置を補助する条例案、妊産婦に交通ICカード(マタニティーパス)を交付する条例案を提出します。

(「しんぶん赤旗」2018年9月20日付より)