新宿区デモ規制は違憲/区長への撤回要求あいつぐ

日本消費者連盟が申し入れ

安全な食品などを求める市民や科学者らがつくる日本消費者連盟(天笠啓祐・大野和興両共同代表)は6月28日、東京都新宿区の吉住健一区長に対して、同区が8月1日から実施する新たなデモ規制を撤回するよう申し入れました。

申し入れ書は、今回の決定は「市民が自由に自らが思うこと、信じることを発信できる言論・表現の自由に対する侵害であり、明確に憲法に反する」ものだと厳しく批判しています。

ヘイトスピーチ対策は重大な問題だが、法理念にのっとり厳格に対処すべきで「市民の権利を制限することで行うのは問題のすり替え」だと指摘し、民主主義を支える基礎自治体として、決定を撤回するよう求めています。

自由法曹団が声明

東京都新宿区が「デモの出発地として使用できる公園の基準」を見直したことに対し、自由法曹団東京支部(小部正治支部長)は6月29日、新「基準」の撤回を求める声明を発表しました。

声明は新宿区が新「基準」を設ける理由に、デモによる交通制約や騒音を迷惑だとする「地域からの要請」を挙げている点について「デモ行進自体、かかる表現行為を通じて社会にその問題を知らしめ、政治的意思表示を行うことで社会を改善するためのものであり、騒音を理由に規制することは表現行為を禁止するに等しい」と懸念を表明。

日本国憲法21条が保障する表現の自由、集会の自由、地方自治法244条1項2項、新宿区公園条例3条4項からも「今回の新『基準』による公園の利用制限が許されないことは明らか」だと強調しています。

新「基準」はヘイトスピーチなど規制すべき違法な表現は放置する一方、平和的に行われるデモ等の表現の自由をも一律に規制するものだとして、撤回を強く求めています。

(2018年7月3日「しんぶん赤旗」より)