【都議団】築地守る姿勢示さず/大山とも子幹事長 都知事の公約違反を批判

日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は都議会第2回定例会が閉会した27日、小池百合子知事の公約違反を厳しく批判する談話を発表しました。談話の全文を紹介します。



2018年第2回定例会を終えて

2018年6月27日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子

 今定例会でわが党は、市場移転問題をはじめとする小池知事の公約違反をきびしくただし、都民との約束を果たすよう迫りました。また、法外な税金を使っての外環道建設など、大型開発優先の都政を進めている点についても、都民のくらし・福祉を充実させる立場から、きびしく追及しました。そして、代表質問、一般質問、委員会質疑を通して、切実な都民要求の実現をめざして全力をあげ、多くの実りある成果を得ることができました。

1 知事の公約に対する姿勢をきびしく追及

 ちょうど1年前の都議選で、小池知事と都民ファーストの会は、「築地は守る」「都民の食の安全・安心を守る」と公約しました。
 ところが、今定例会直前に発表された築地再開発検討会議の報告書の中に、「築地は守る」姿勢はまったく示されず、知事の公約違反が改めて明白となりました。この問題を指摘したわが党の質問に、知事は、今後、都として策定する築地の「まちづくり方針」は、「仲卸業者の要望なども踏まえながら検討していく」と答弁しました。築地の仲卸業者でつくる「女将さん会」のアンケート結果では、回答した市場業者の9割が、これからも築地で商売したいと答えています。環境基準を大幅に超える有害物質も、依然として検出されています。
 10月11日の豊洲新市場への移転強行は許されません。日本共産党都議団は、移転中止に向け、ひきつづき全力をつくします。

 また、自民党政治家が深く関与し、都が異常な便宜を図った日本スポーツ協会(旧日本体育協会)の新会館建設計画をめぐり、都と森喜朗元首相の新たな面会記録が、わが党の情報公開請求で明らかとなりました。そこには、現在の岸記念体育会館の土地について「都に買ってもらうとすっきりしていい、僕はそういう意見だ」と森元首相が働きかけている重大な発言が記録されています。
 この問題にメスを入れるよう求めたわが党の質問に、知事は「法令違反はなく適切なものであった」と答弁しました。これは、「都政の透明化」の公約を投げ捨てるものです。わが党は今後も、疑惑の全容解明を進めていきます。

2 都民要求実現に向け、多くの実りある成果

 児童虐待対策は、今定例会の大きな焦点のひとつとなりました。この問題で知事が、全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げて総合的な対策を進め、児童相談所の体制強化について専門職の増員と専門性の確保に取り組んでいくことを答弁したことは重要です。また、わが党の質問で、児童福祉司の人数は新たな国基準に比べ、あと90人増やす必要があることが明らかになりました。
 待機児童対策では、わが党は、「隠れ待機児童」をふくめると都内に2万人を超える待機児童がいる独自調査の結果を示すとともに、認可保育園を重視して対策を進めるよう求めました。
 知事が、「認可保育所をはじめとする」保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援すると答弁したのは今後につながるものです。認可保育園を保育政策の中心にすえ、量と質の大幅拡充を進めるよう、引き続き求めていきます。

 わが党が求め続けてきた「中小企業振興条例」について、知事が「条例の制定に向けた検討を進め、中小企業のいっそうの発展に結びつけていく」と議会で初めて答弁したことも重要です。今後、よりよい条例となるよう提案していきます。

3 子どもの医療費無料化-「18歳まで拡大」「多摩格差解消」の条例を提案

 子どもの医療費助成を18歳まで拡大する条例を、都議団として初めて提案しました。都の調査でも医療の受診抑制の内、自己負担を払えないことを理由とするものが、16~17歳で高いことが明らかとなっています。全国では18歳までの医療費助成が、約400自治体に広がっており、都としても実施が求められます。
 また、区部では全ての自治体で15歳までの医療費無料化が実現されています。しかし、多摩・島しょは、多くの自治体で所得制限と通院1回200円の負担があります。そのため、多摩・島しょも、全ての自治体で15歳まで医療費を無料化するための条例を提案しました。
 残念ながら条例案は否決されましたが、今後も子どもが健やかに育っていける東京にするため、積極的に提案をしていきます。

4 受動喫煙防止条例-充実した審議に全力

 本定例会では、受動喫煙防止条例が大きな関心を集めました。わが党は、厚生委員会で賛否双方の参考人を招致することを提案し、実現することができました。常任委員会での参考人招致の実現は画期的であり、議会をより都民に開かれたものにする大きな一歩です。
 受動喫煙により年間1万5千人が国内で死亡するなど、健康への被害は明白です。日本は、締約国に受動喫煙対策を求めるたばこ規制条約を批准しているにもかかわらず、国会に提出された法案は極めて不十分なものになっています。都の提出した条例案は、こうした中で受動喫煙対策をより前進させるものであったため、賛成しました。
 一方で、受動喫煙を防ぐには本来は屋内全面禁煙が必要であり、条例案には改善すべき点もありました。具体的には、飲食店等で喫煙専用室の設置を認めている点、従業員のいない飲食店では飲食する場での喫煙を認めている点、加熱式たばこは飲食する場などでの喫煙を認める上、罰則を適用しないとしている点、病院などに屋外喫煙所の設置を認めている点などです。そのため、日本共産党都議団は、加熱式たばこについての例外をなくすことなどを定めた修正案を提案しました。修正案は残念ながら否決されましたが、より有効な受動喫煙対策とするため、都民の声を聞きながら、引き続き取り組んでいきます。

5 横田基地へのオスプレイ配備計画は撤回を

 米軍は、横田基地へのCV22オスプレイを前倒しで今年の夏までに配備すると突然、発表しました。知事が会長を務め、地元自治体で構成する連絡協議会は、CV22オスプレイについて「安全性への懸念が拭えない」と表明しています。この問題で知事が、私の考えは協議会と同じだと答弁したことは注目すべきものです。欠陥機オスプレイが横田基地に配備されれば、都民の命とくらしを著しく脅かすことは明白であり、断じて容認できるものではありません。
 わが党は、都議会に、都内米軍基地対策特別委員会を設置して、オスプレイ配備計画をはじめ都内米軍基地問題を集中的に審議することを提案しましたが、他会派の反対により設置できませんでした。引き続き、都民運動とも連携して、オスプレイ配備撤回を求め全力をあげる決意です。

以上