【東京民報】国保料直ちに1万円値下げ 共産党都委が緊急政策

日本共産党都委員会は13日、都庁で会見を開き、都の財源350億円を使って国民健康保険料(税)を1人1万円値下げする緊急政策を発表しました。

国保は非正規労働者や無職者・年金生活者が加入世帯主の8割近くを占めています。しかし、都内の区市町村議会では、自民党、公明党などによって毎年のように国保料が値上げされ、今年度も23区9市町で値上げされました。
ある区では年収500万円の夫婦(40歳以上)と子ども2人の子育て世帯で、57万2874円もの国保料となります。4年間で6万2709円もの値上げです。またある市では、2年連続の値上げで、年収505万円の夫婦(40歳以上)と子ども2人の子育て世帯で、2年間で8万8800円も値上げされ、43万6600円にもなります。

原因は国が国庫負担を大幅に減らし、東京都も90年代に比べ5分の1にまで縮小したこと、区市町村による住民負担軽減のための公費の繰り入れが減らされてきたことです。国保制度の都道府県化で、さらに大幅値上げの危険があります。

共産党都委員会の若林義春委員長が政策を説明。

払いたくとも払えない高すぎる国保料(税)を、都の財源でただちに1人1万円引き下げ、誰もが払える保険料へと、さらなる引き下げを目指すとのべました。財源は350億円で、都の一般会計予算のわずか0.5%。「大型開発や不要不急の大型道路建設優先の税金の使い方をあらためれば必ず実現できる」と強調しました。

 

「事情を汲み取って」

年金口座を差し押さえられた 玉田春子さん(仮名)

私は2年前の12月、国保料の滞納で品川区に6万数千円ほどの年金口座を差し押さえられ、手元には800円しかなく、困り果てた体験があります。出頭命令が区から来て、出頭して生活の厳しさを訴えましたが、一顧だにされませんでした。その後も出頭命令が繰り返され、いよいよ、差し押さえを告げる怖い知らせがきました。この間、区が訪問してくれ、事情を聴かれることなどはいっさいありませんでした。分納計画書か、差し押さえかという対応は、区の方針ありきで、相談とはいえません。

こうしたやり方は、行政手続法や憲法に違反していると思いました。弱者を痛めつけるやり方は納得できないと、分納を拒否して一人で行政訴訟を起こし、間もなく一審の判決が出るところです。わが身に降りかかった火の粉は自分の力で払わなければならないと思っての行動でしたが、地方自治体が滞納の事情を汲み取り、弱者に対する差し押さえはしないようにしてほしいし国保料の負担が軽くなるようにと願っています。

老齢期にさしかかった団塊の世代の格差は大変大きく、困っているのは私だけではありません。周りには高額医療が必要な事情、働けない事情のある子どもの養育などを抱え、綱渡りのような生活をしている人が多くおられます。急にお金が必要になったり、急に収入が減ったりしたときに国保料が払えなくなる―そうしたときに、支払いを猶予する仕組みを確立し、都民に知らせるべきではないでしょうか。