図書館政策を発表

日本共産党東京都委員会は、6月5日に図書館政策「東京の図書館を元気に--日本共産党の5つの提案」を発表しました。

以下、その全文を紹介します。


東京の図書館を元気に――日本共産党の5つの提案

 

危機に瀕する東京の図書館

かつて全国の図書館をリードする役割を果たしてきた東京の図書館は、石原、猪瀬、舛添と三代続いた、くらし・福祉・教育に冷たい都政の結果、危機的な状況です。

その間、都立図書館の予算(管理運営費と職員費)は7割に、都民一人当たりの資料購入費は6割に減らされました。正規職員が削られ続け、東京の図書館サービスの中心はいまや、委託企業のスタッフや非常勤職員が担っています。区立図書館は、その半数に営利企業などが運営する指定管理者制度を導入するという、全国にない事態です。老朽化を理由に廃館の動きもあります。このままでは、知の遺産と図書館文化の継承が危ぶまれる状況と言わなければなりません。

共産党が伸びれば、図書館は変わります

日本共産党は、この図書館の危機を打開するため5つの提案を行います。最大のカギは、税金の使い方を、大型開発中心から教育・福祉中心に改革し、図書館予算を石原都政以前の規模に戻し、拡充することです。これは都の予算のわずか0.016%で実行できます。

日本共産党は図書館を大切にし、都議会でも国会でも奮闘しています。豊洲新市場の地下に盛り土が行われていなかったことなど、都政の〝闇〟を告発するとともに、保育園増設などたしかな実績があります。日本共産党を躍進させ、東京の図書館を変えましょう。

 

一、図書館予算を1.5倍に。石原都政前に戻す

 都立図書館の機能の立て直し……都立図書館の重要な役割の一つである市区町村立図書館の支援。その中心は市区町村図書館への書籍等の貸出ですが、予算の削減で同一書籍は一冊のみとなり、「新刊本がない」「使いにくい」などの声があがっています。▽現在の約3億円の資料費(都民1人当たり25円)を石原都政以前の約5億円(1999年度・同42円)の水準まで拡充し、後世の利用に資する豊かなコレクションも形成できるようにします。▽予算全体も同じく1999年度の水準(約36.4億円)に戻し(1.5倍化)、さまざまな資料要求に応えられる司書の体制、障害のある人や外国人へのサービスなど国際都市・東京に求められる機能を拡充します。▽10年間司書を新規採用しなかったことを繰り返させず、司書が中核となって図書館事業を行う体制を構築します。

 市区町村立図書館への財政支援……東京には、23区との間の財政調整のしくみ、市町村への交付金制度があります。市区町村立図書館の資料費削減が進まないようそれらの増額をもとめます。

 

二、安心してはたらきつづけられる図書館に

「勤務して17年。都内図書館の正規採用はほとんどない。非常勤は好きで選んだ働き方でなく、図書館で働くための苦渋の選択なのである。正規職員に仕事を教えているのは私」――今年5月9日衆議院総務委員会で日本共産党の田村貴昭議員がとりあげた東京の図書館員の声です。国も「常勤化などの検討が必要」と答弁したように、継続的な仕事は常勤職員でカバーするのが法律上の原則です。そうしてこそ住民サービスも向上します。財政力のある東京こそ、待遇改善を急ぐとともに常勤化の先頭に立つべきです。

 自治体非常勤職員の待遇改善……専門職として時間単価を2000円以上にひきあげるとともに、雇い止めをやめて安定雇用を保障します。さらに常勤採用にきりかえることをめざします。こうした措置を市区町村立図書館にも波及するようにします。

委託の労働者の待遇改善……自治体と企業が契約する際に条件を課し、少なくとも非常勤職員なみの待遇改善とともに雇用の安定継続を市区町村にもとめます。

 

三、直営と住民参加で、図書館サービスの向上

 指定管理者制度の見直し……管理運営をまるごと民間企業に代行させる指定管理者制度は、国も認めるように図書館には適さず、各地で問題が噴出しています。ところが東京では同制度を前提とした予算上の基準(都区財調)があり、区立図書館の半数で導入という全国にない事態となっています。都として指定管理者制度を容認しない姿勢をはっきり示し、図書館サービスを向上させる公立公営の図書館にもどしていきます。

 民間委託の見直し……都立図書館をはじめ多くの図書館で利用者と直に接する窓口業務などの民間委託が進んでいます。その結果、利用者の声、住民の声が図書館運営に届かなくなっています。民間委託を図書館サービス向上の観点から見直します。

 開かれた図書館協議会に……都立図書館の図書館協議会委員の都民公募と市区町村の図書館長委嘱が廃止されました。いずれも元に戻し、開かれた協議会に改革します。

 

四、東京の図書館の未来構想をつくる

 図書館整備計画の策定……子どもや年配の方々が日常的に利用できるよう中学校区に一館を目安にした図書館設置、まだ図書館のない小笠原、御蔵島、利島、新島、神津島の5村への設置など、東京全体の図書館整備計画を市区町村とともにつくります。この10年、教育次長が兼務していた都立図書館長を専任に戻し、都内全体の図書館事業の推進という都立図書館の役割を果たせる体制をつくります。

 豊かなコレクション形成へ図書館間の連携の発展……都民の資料要求に確実に応える豊かなコレクション形成へ、都立図書館のイニシアティブで市区町村立図書館との分担保存などの図書館間の連携を発展させます。こうした連携は、全国の図書館間の資料の相互貸借の制度化の基盤にもなります。

 

五、学校図書館に学校司書を 子どもに豊かな読書を

学校図書館は、子どもが本の世界と出会い、学び探求する場です。授業のための資料の提供や、子どもたちの居場所としても大切です。そのためには、いつも専任の人がいることがカギで、専任・専門・正規の学校司書の配置が急がれます。

 都立高校の学校司書補充……都は退職した都立高校の学校司書を補充せず、業務委託化を続けています。教師と進めてきた生徒の読書、授業への支援、生徒の自主活動の援助や居場所としての役割が困難になっています。業務委託は「偽装請負」の懸念もあります。常勤の学校司書にもどします。

 小中学校への学校司書配置の推進……国は5年間で学校司書を1.5校に1人配置するため交付税措置をはじめました。23区の財政調整もそれに準じています。市区町村がきちんと配置するよう、都も支援します。

 読書推進計画を条件整備の計画に……都や市区町村の読書推進計画は、肝心の条件整備が欠落しています。子どもに読書を強いるような読書冊数などの目標ではなく、学校司書の配置、資料の充実など条件整備に徹した計画にきりかえます。