待機児童、特養ホーム待ち“東京で二つのゼロを”
鳥越候補の演説(要旨)

鳥越俊太郎東京都知事候補が26日、新宿駅東南口で行った演説の要旨を紹介します。


私は「四つのよし」と言っています。住んでよし。働いてよし。学んでよし。環境によし。「住んでよし」の中で、大事なことがあります。私は「二つのゼロ」と呼んでいます。待機児童をゼロにしましょう。もう一つ、(特養ホーム入所待ちの)「待機高齢者」もゼロにしましょう。これは今すぐにでも手を打たなければいけない二つの大きな課題です。

待機児童ゼロ

待機児童をゼロにするために、まず第一に、保育士の待遇を上げましょう。保育士の待遇は残念ながら、全産業の平均賃金より10万円くらい安い。先日、世田谷区の保育室で出会った28歳の保育士の青年は、手取り月額13万円だといいます。13万円で28歳の若者が暮らしていけますか。こういう現実があるから、待機児童がゼロにならない。歴代東京都政が手を打ってこなかったからこうなった。私は少なくとも月額5万円くらいアップは考えなくてはいけないと思います。

特養待機者ゼロ

特養待機者ゼロ。2035年には団塊の世代が85歳以上になります。体のあちこちがいたんだ時に、ちゃんと公的な救いの手がなければいけない。しかし、残念ながらその理想に手が届かない状態にあります。

なぜならば、介護施設が十分でない。介護士の数が足りていません。それはなぜかというと、待機児童の問題と同じく介護士の処遇が十分でないんです。これは日本社会も東京都もちゃんと向き合ってこなかったから、こういう事態になっている。今のうちに介護士を育て、介護施設をつくっておかなければ、その時になったらでは遅いんです。今すぐやらなければならない。

2番目の働いてよし。日本では残念ながら正規と非正規という働き方で、だんだん非正規が多くなっています。全労働者の4割は非正規です。格差があります。そのために子どもが産めない、結婚もできない。こういう事態が進行しています。これは何としても止めなくてはいけない。東京都が率先して、非正規労働を解消する先頭に立ちたいと思います。

給付奨学金

学んでよし。誰もが平等に教育を受ける権利がありますが、格差社会で教育の機会が均等に与えられていません。私は、少なくとも高校、高専にいくためにお金が払えないという人のために給付型奨学金をつくりたいと思います。

原発廃炉に

最後に、環境によし。私は非核都市宣言をお約束したいと思います。ある女性候補が雑誌で「日本には核武装もあり得る」という話をしています。とんでもないことです。核武装などと言う候補を都知事にするわけにはいきません。

核分裂のエネルギーを使ってつくったものがもう一つあります。原発です。私は非核都市宣言の非核の中に、原発も入れてあります。核兵器も原発もいらない。私は、東京都を中心に250キロ圏内で、原発は停止し、再稼働をやめ、最終的に廃炉にしてくださいと電力会社に申し入れることを公約します。250キロには、福島第1、第2原発(福島県)、東海第2原発(茨城県)、柏崎刈羽原発(新潟県)、浜岡原発(静岡県)が入ります。

憲法を守る

私は、平和と憲法を守る東京都でありたいと思っています。日本は戦後、一度も戦争することがありませんでした。残念ながら日本の近代史は明治維新以来、多くの戦争をして多くの人命が失われました。近隣のアジア諸国も多くの命が失われました。そういう戦争はもうやめましょう。私たちは二度と戦争をしません。そのために憲法9条を守ろう。いかがでしょうか(大きな拍手)。これは心にしっかりとめて、「鳥越がああ言っていたな」と思いだしてください。

(選挙戦は)ラストスパートです。みなさんの力を貸してください。みなさんとともに私は最後まで頑張ります。(拍手、がんばろうの声)

(「しんぶん赤旗」2016年7月28日付より)