《東京五輪》環境対策は不十分

2016年3月6日 ,

都議会委

温暖化防止強化求める

吉田議員

委員会で質問する吉田信夫都議=4日、東京都議会(「しんぶん赤旗」提供)
委員会で質問する吉田信夫
都議=4日、東京都議会
(「しんぶん赤旗」提供)

日本共産党の吉田信夫東京都議は4日の都議会オリンピック・パラリンピック等特別委員会で、2020年東京五輪競技施設の環境対策が不十分であると指摘し、抜本改善を求めました。
都が整備する4競技施設の大会実施段階の環境影響評価書(アセスメント)案は、温室効果ガス(二酸化炭素=CO2)の排出予測を、「類似施設」と比較して削減がはかられていると評価し、「満足するもの」としています。
吉田氏は、海の森水上競技場(ボート・カヌー)について、「温室効果ガスの推計量には、水門やポンプの稼働に伴う動力使用が入っていない」「排出量を計算した床面積の9割以上が屋外のスタンドと艇庫で、集会場との比較は不適切だ」とアセスメントの欠陥を指摘。これで「満足」という結論は出せないのではないかと迫りました。
都オリンピック・パラリンピック準備局の花井徹夫・施設輸送担当部長は、水門やポンプの運用計画が明らかになっていないので、今回の評価書案では予測・評価の対象としていないとし、「今後、改めて予測を行う」と答弁。吉田氏は「環境影響評価が確定する前に、着工してはならない」と主張しました。
吉田氏は、都の「東京オリンピック・パラリンピック環境ガイドライン」では、大会施設をつくってもCO2の排出量をふやさないことを基本目標にしているにもかかわらず、都の対策は不十分だと指摘し、全面的・抜本的な環境対策の強化を求めました。

(「しんぶん赤旗」2016年3月5日付より)