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ふるだて都議の議会質問

地方分権改革に関する
東京都の基本的見解について
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2004/6/10

古館委員 それでは質問させていただきます。今回出されました地方分権改革に関する東京都の基本的見解でありますけれども、最初の論点が、この国の形を変えるということです。その変えなければならない形というのは何なのかということについては、それが中央集権官治のシステムというようなことで、このシステムが歴史的な使命を終えた。この使命を終えたとしているシステムが、一ページ目の二段目にあるように思います。すなわち、この一ページ目の二段目では、大都市圏を中心に生み出された富を、国が全国に再配分することによって、ハード、ソフトの両面にわたり、全国あまねく社会基盤の整備が進み、すべての国民が一定水準の行政サービスを享受できる均質な社会が形成されたのであるということのようです。
 まず、そのように私理解していますが、この点で見解をお伺いしたいと思います。
秋山参事 古館議員がご指摘になりました、基本的見解の一ページの1の二段目でございますけれども、ここの部分につきましては、現行の地方財政システムが、これまで、戦後復興から高度成長期にかけまして、全国あまねく社会基盤整備を実現したり、国民が一定水準の行政サービスを享受するなど、成果を上げてきたということを述べた部分でございます。
古館委員 それが結局古くなったということですよね。ここでは、基本的な考え方をそこで述べながら、次に展開していくわけですね。この問題に対して、先ほども議論がありますけれども、全国知事会はどのように認識しているかといいますと、ここに平成十七年度の三位一体改革に関する提言というのがございます。この、いわゆる全国知事会の中では、国の今進めている改革が、国の財政再建が優先されて、地方分権のための改革と呼ぶにはほど遠い内容となっていると判断した上で、改革が国と地方の役割分担を明確にして、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねることで、住民の意向に沿ったサービスを行うことを可能とする、こうしたシステムへの改革ということをまず最初に求めています。これが中心です。つまり、全国知事会は、住民が中心に置かれた改革の立場を明確にしています。

 確かに都の基本的見解では、2のタイトルが「大都市と地方が共存共栄するシステムをつくり出す」として、地方との共存共栄をうたっていますけれども、一番目のところでどういうことをいっているかというと、熾烈な国際競争を勝ち抜くために、大都市圏が先頭に立って我が国の発展を促進するシステムを創造することであるとか、四番目のところでは、大都市自治体が広域的に連携して、国にかわってみずからの戦略的判断で、投資効果の高いインフラ整備を行うことができれば、日本全体の発展を著しく阻害している都市問題を解決することが可能となる、このように述べています。

 そこで質問しますけれども、ここでその次に、投資による直接経済効果と外部不経済の解消効果は、広く日本全体に波及し、新たな富を生むものである、これはどういうことをいっているんでしょうか。

秋山参事 先ほど中屋先生の答弁でもさせていただきましたとおり、例えば大都市における戦略的な投資が不足しているということから、渋滞などの都市問題が発生しているという現状でございまして、先ほど申し述べたとおり、そこへ重点的な、戦略的な投資を行えば、直接経済効果だけではなくて、年間三・二兆円にも及ぶ外部不経済効果、これが解消されると。これは通過交通にも影響を及ぼしますので、その効果は広く全体に及んでいくということで、極めて大きな投資効果が望める、こういったことでございます。
古館委員 これは使い古した経済理論なんですよ、今日までの。大企業が栄えれば、国民もそれの恩恵を受けて、少しずつ、ひたひたと生活がよくなる、こういう理論と全く同じなんですよね、今いっているのは。ここでいっているのは、もっと局地的なんですよ。大都市が繁栄していけば、それで地方がだんだん繁栄していくという、このことをいっているんですけれども、大都市の繁栄という問題が、即地方に反映していないということは、今までるるいっていることなんですよ。だからこそ財政調整というのが今あるわけですね。
さらに二ページの五つ目のくだりでは、財政的自立が困難な自治体の存在を認めながら、新たな財政調整制度の創設、これ、先ほどちょっと質問しました。これは、質問ですので、どのような構想なのか、改めてお伺いしたいと思います。
秋山参事 新たな財政調整制度につきましては、抜本的な税源移譲などを行いましても財政的に自立困難な団体に対しまして財政的な調整を行うもの、そういう制度として提案をしてございます。
 先ほども答弁させていただきましたけれども、詳細は、今後策定する具体案の中で明らかにしていくということになりますが、現在の交付税制度の反省を踏まえまして、恣意的な算定や政策誘導など、国の関与を排除して、簡素で透明性が高く、自治体の努力が反映されるような案を基本に考えていきたいと考えております
古館委員 それで、全国知事会の三位一体改革に関する提言に対する東京都知事のコメントというのがありまして、この二番目に、全国知事会の提言に対して、この改革は地方自治体の自主的、自立的な行財政運営を支える基盤を確立し、地方分権を促進するための行財政改革でなければならない。この点では、全国知事会の提言の目指すところとも、都の基本的認識も同じだ。
ところで、この全国知事会は、ことしの五月二十二日に、今いったような三位一体の改革というのを出しました。ここでは、地方交付税の見直しは主張しているんですけれども、財源保障機能及び財源調整機能の両機能については、引き続き確保する必要がある、このようにしています。この全国知事会の提言ではだめなんですか。
秋山参事 ただいま古館議員がご質問になりましたとおり、全国知事会につきましては、平成十七年度における三位一体改革に関する提言というのを五月二十五日に取りまとめをしております。

 都との決定的な違いでございますけれども、全国知事会は、現行制度の枠内での改革提案としております。都の見解は、歴史認識に基づいた現行制度を抜本的に改革するということでございまして、今先生がおっしゃった交付税制度について、大きな抜本的な改善がないというところにもその点があらわれているというふうに考えております。

古館委員

しかし、知事のコメントは、そういうことを書いていませんよ。書いているのは、具体的内容について意見を異にする点もあると。いっているのは、地方譲与税の配分調整と、法人事業税及び法人住民税の分割基準の見直しなどについては修正をお願いしたと、こういうことは繰り返し知事もいっていたことでありますけれども、こういうことについては、この知事コメントの中にはありません。

 私どもは、ナショナルミニマムの評価について次伺いたいんですけれども、これは、今日まで主として地方交付税が担ってきたものであります。確かにこれまで公共事業の押しつけ、それによる借金漬け、これは地方交付税交付金の本来的な役割ではなくて、根本的見直しは当然のことです。ただし、地方交付税法の第一条の立場の堅持、これは非常に重要だと考えています。この地方交付税法第一条は、交付税の目的、これについて書いておりまして、それは、財政調整と財源保障の二つの機能を通じて、地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化すること、これが本当に実現をしていければいいと思っていますが、このナショナルミニマムの果たす役割は重要であり、さらにこの立場での充実が必要と考えますが、いかがでしょうか。

秋山参事 ナショナルミニマムについての考え方でございますけれども、ナショナルミニマムの内容につきましては、時代、地域、経済状況などで大きく変動するということでございまして、特定が大変難しいというのが学識経験者の間でもいわれております。安易に使うことで混乱を招く可能性があるとも考えております。
 都の見解では、先ほど申し述べたとおり、抜本的な税源移譲と国の財政責任の明確化で自治体の財政的自立を促進させるとともに、先ほど申し上げたとおり、財政的自立が困難な団体に対して新たな財政調整制度を導入するということで、自治体の存立目的たる一定の行政サービスを確保するための財源を担保する考え方に立っております。
古館委員 もう一回聞きますけれども、それでは、この地方交付税法の第一条の二つの機能は必要だ、このようにお認めになっているんですね。いかがですか。
秋山参事 東京都の基本的見解で考えております新たな財政調整制度につきましては、先ほど申し上げたとおり、財政的な自立が困難な団体に対しての調整を行うという財政調整機能、それから存立目的に対して必要な財源を配布するという財源調整機能、両方の機能を持つというふうに考えております。
古館委員 そういう点では、本当に私は、地方交付税法の第一条の立場がどのようにしっかりと堅持されているかと。今、中央の官僚のシステムとかと、こういうんですが、しかし、政治ですから、政治がそういうような状況に対して、どのような形でそれを保障するようにしてきたかということも、私はもう一つの点として問われなきゃいけないというふうに思っています。

 次に続いていきますけれども、国直轄事業負担金についてお尋ねをしたいと思います。

 この間、我が党は一貫して国直轄事業の負担金とその事務費等について、国に対して廃止するように強く求めてまいりました。この問題で、石原都政、知事との間では、私どもはこれまで意見は同じであったなと、このように思っておりましたけれども、例えばそれを裏づけるものに、二〇〇一年の三月十四日の予算特別委員会の代表総括で、我が党の木村議員が、この直轄事業の負担金について、抜本的な見直しをすべきじゃないかという趣旨の質問をした際に、石原知事はこのように答えているんですね。やっぱり直轄事業というものを考え直してもらいたい。それで、その場所も勝手に向こうで決めてきて何%持てというのは一方的な話じゃないかと。まさに首都の機能の問題でありますから、国の国事として考えてもらいたい、そういう認識を持つように、制度として改めるよう、今も強く申し入れております。これ、速記録ですから。

 つまり、国の直轄事業の負担金については、これは東京都、首都であろうが、国の仕事だから、国がちゃんと自分の国費で持てということを知事はここでいっているんですよ、明快にですね。

 ところが、この直轄事業の問題については、先日の代表質問では、知事のトーンが落ちたどころか、どんどん変わってきました。三環状道路の整備、羽田空港の再拡張及び国直轄事業などは、東京が熾烈な国際協争を勝ち抜いていく上でも極めて重要な事業だと。この際はっきり申し上げますが、私は、これまで直轄事業負担金が不合理であるといったことはない。しかし、さっきいったように、答弁の中で、速記録の中で、国直轄事業の負担金の問題に対しては、はっきりと制度として改めるよう、今も強く申し入れているということをいっております。

 つまり、知事がこのような形で、直轄負担金というのはこれからどんどん必要なんだということをこの間表明したんですね。首都高の中央環状新宿線や品川線で、負担に二千億から三千億かかるじゃないかと我が党がその点指摘し、圏央道でも、外環道でも、道路公団の民営化によって、国直轄事業となれば、さらに今でも四百億円超の、毎年国直轄事業費は東京都が出しています。これがさらに数千億円の規模に膨らんでいくと、こういうようなことですね。

 つまり、財政の問題で、東京都の問題でも重要なのは、こういうようなところに非常にお金を注いできているというところが、かなりきつい面があるんですね、財政上の問題でも。これで国の形を変えるというふうにいっているんですけれども、私はこれは、国の形を変えるということではなくて、都の形を、より財界と国の要求を受け入れる側の方に、機構に変えていく、これが本質なんだというふうに、私は、この直轄事業のあの知事の答弁を聞いて、いよいよ確信をしました。つまり、国がやる事業でも何でもやるよと。羽田空港の拡張問題もしかり、つまりそういうことをいかにしてやるかということが、実はいっていることは、国の形ということをいっているんですけれども、国の形じゃなくて、東京都がいかにそういうことがどんどんやれるようになれるかということをいっているにすぎないというふうに思っています。

 私は、国の形を変えるというのであれば、まず、対米公約である毎年五十兆円という公共事業偏重の構造、これを根本的に改めよということを、やはり東京都としても明確にいうべきだ、このように思っていますが、この点についていかがですか。

秋山参事 大分多岐にわたるご質問だったですが、最終的には、公共事業についての必要性というご質問だと理解いたしました。 公共事業そのものは、経済活動や国民生活を支える事業として極めて重要でございまして、効果の高い事業には積極的に投資すべきだという考え方で、この基本的見解は構成されております。特にその中で、国が責任を持って行う分野といたしまして、国家的戦略に基づいた投資を国が直接行えという主張をしておりまして、国直轄事業と、関連性でいえばその重要性は少しも変わらない、かえって重くなるかなというようなところもございます。また、地方の公共事業につきましては、高められた財政的な自由度で、各地方が必要と判断する公共事業を遂行していくという形になろうかと思います。
古館委員 今の答弁は私がいったことを裏づけただけの話なんですけれども、さっきの五十兆円でも、国は二十兆円ですからね、負担は。地方に三十兆円押しつけられてくるんですよ。こういうことが知事がよくいっている七百兆円という借金に膨らんでいっているというのも大きな要因の一つなんですね。私は、国の形を変えるというのであれば、税のあり方も変える。この問題だって非常に大事な部分を占めていると思いますね。

 例えばこの十六年間、法人三税はどれくらい減税になったかというと百四十五兆円です。それで、消費税は、この十六年間どれくらい払ったかというと百四十八兆円ですね。法人事業税三税、法人三税の減税は百四十五兆円、消費税の税金を国民から吸い上げたお金は百四十八兆円ですから、三兆円しか違わない。じゃ何のための消費税だったかというと、法人三税の減税のために回ったといわれても仕方がない。例えば東京だって、法人二税は、平成十年からはどんどん減税、減税、減税です。例えば平成十年は、その単年度だけで三百十五億円の減税、それがずっと引きずってくるんですよ、ずっとね。平成十一年は法人二税だけで二千三百四十九億円の減税、それがずっと今日まで引きずってきている。そういうことが都財政の、実は逼迫したもう一つの要因になっているという状況でありますから、私は、この税のあり方そのものを変えるということをきちんと訴えるべきだし、そういうことも載せるべきだと思いますが、いかがですか。

秋山参事 税のあり方ということでございますが、東京都が発表した基本的見解の中という範囲でお答えを申し上げますと、一つには、抜本的な改正の姿として、所得税、それから消費税による基幹的税源移譲というようなことを税の関係では述べておりますし、また、第IV章が骨太二〇〇四に向けた緊急提言ということで、当面の措置を提言をいたしておりまして、その中では、国と地方の税源配分を当面一対一にする手法として、一〇%住民税のフラット化というようなことを提言しております。
古館委員 国の形の問題でいえば、今一対一という話が出たんですが、国の仕事が今四です。地方の仕事が六です。じゃどうして一対一じゃなくて、六対四という形を出せないのか。私は、そういうようなことをやはり戦略的にきちんと確立をしていく必要がある、このことは要望として強く求めておきたいと思います。

 都の税源移譲の案がこの中に盛り込まれております。このことについてもちょっと聞きたいと思います。 基幹税による税源移譲というふうに書かれておりまして、東京都も、これは全国知事会も残念なことに同じなんですが、所得税、しかもそれは住民税の一〇%フラット化ですね。それから消費税、この基幹税を税源移譲として地方の方におろしましょう。私ども共産党は、所得の問題、所得税については賛成ですが、フラット化ということについては反対です。これは、今これから申し上げますけれども、あとは資産税、資産にきちんとそれにふさわしい税というのを地方税としてかけていくと、これを私どもは考えておりますけれども、先ほどいいましたけれども、所得税の個人住民税のフラット化ですね。

 これは、今は住民税はどういう税率になっているかといいますと、五%、一〇%、一三%です。これを、実は一〇%に一律、いわゆるフラットということで平準化していくんですね。一〇%にならしていくんです。そうなりますと、今五%の税金で納めている低所得者の方々は、一〇%になるんですから、非常にそれは税額としても上がっていく。私どもの試算では、大体四万八千円から五万円くらい上がっていく。それで、一三%の人はどうなるかというと、一〇%に下がります。大体どれくらいの減税効果が出るかというと三十八万から四十万円くらい減税になる。つまり、ここの中でも貫かれているのは、結局は、お金持ちの人はきちんと減税効果が強くて、それで低所得者がやはり増税になっている。今回の年金問題も同じですね。こういうようなあり方というのは、根本的に変える必要がある。所得税の税率刻み、今の住民税は三段階ですから、少なくともそういうくらいの刻みはきちんと検討していく、そういうことを東京都として強く出すべきじゃありませんか。いかがですか。

秋山参事 ただいまのは税源移譲の話でございますので、基本的には所得税を減らして個人住民税をフラットにしていくということで、地方への税源移譲を実施すると。ですから、所得税の方は何らかの形で下げる措置をとっていくということで、基本的には負担の増減が相まうような形で考えていくというのが、いろいろな団体が提案しておりますフラット化の考え方でございますが、その課題につきましては、今後検討の中で十分に議論を深めていくという必要があろうかと思っております。
古館委員 私は反対していますけれども、都税調の答申でも、所得税の、いわゆる最高税率の引き下げということをいっているんですよ。それから最低税率もさらに引き下げる。つまり最高税率を下げると、これだけ減税効果が強くなる。ところが、最低税率を下げると、低所得者がさらに税金を納める人がふえていく。これが実は、ここの税源移譲の中にもう一つある方針だということもつけ加えておきたいと思います。

 今さらいうまでもありませんけれども、地方自治体が行う事務について、そのイの一番に住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持する、このことが挙げられて、冒頭に述べましたけれども、全国知事会の提言でも、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体にゆだねる、こうした改革を今求めております。国の事業まで自治体が乗り出して、財政まで投ずるという意図を明らかにした石原都政の方向は、多くの市民、全国の道府県が願っているものと逆行すると指摘をせざるを得ません。したがって、地方分権改革に関する東京都の基本的見解は、抜本的に都民の立場で、目線で見直しを求めておきます。以上です。

 

 

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