統一地方選へ 各地で運動

私の街にもコミバスを 交通弱者対策 公共交通への期待切実
 病院や公共施設、買い物に出かけるのも不便、誰でもが安く乗れるコミュニティバスを走らせてほしい―。高齢化社会の進行にともない、どの自治体でも住民の“足の確保”は切実。統一地方選挙を前に、コミュニティバスを求める住民運動が各地に広がっています。
 コミュニティバスを運行している区市は別表の通り。運行していない品川、目黒、豊島、江戸川、中野の5区と青梅や福生、東久留米の3市などでは、交通弱者にとって差し迫った問題です。運行している区市でも路線が少なく、増やしてほしいという要請も寄せられています。

5千の請願署名
 未運行の自治体の一つ、豊島区では昨年、コミュニティバスを走らせようと、区民が立ち上がりました。「コミバスを走らせる会」が結成され、4月から半年余りで集まった請願署名が5136人。区議会では、共産党と無所属議員が請願の採択を主張しました。しかし自民、公明、民主ネット、都民ファーストなどの各党会派が「継続審議」としたため、請願の採択は見送りになりました。
 区の都市整備部の担当課長は、会が独自に調査し提案した5つのルート案を「道路幅が狭く車両制限の基準に合わない」など言い、「認可は難しい。不可能」と答弁。ルート案の提案もしない区側に、共産党のかきうち信行区議が「走らせようという決意があってこそ、実現の道が開けるのではないか」と厳しくただす一幕も。審議に呼ばれた高野之夫区長は、かきうち区議に「あきらめずに進める」とのべました。会の上村敏彦会長は「2度目の請願を、何としても実らせたい」と、さらに署名運動に力を入れています。
 品川区ではコミュニティバスの運行を求める陳情・請願署名が、2010年以来、17回に及んでいます。昨年9月の区長選挙では、現職の区長が初めて「コミバスの運行」を掲げました。東久留米市でも、コミュニティバスの実現をめざし、これまでに3回の署名活動(10年4180人、14年6831人、17年1974人)が行われました。しかし、現市政では進展がありません。

町会や医師会も

 コミュニティバスを運行している区市でも、約3分の1が1~2路線。交通不便地域が残されている実態を反映して、各市区から路線の増加や充実を求める声があがっています。2008年から1路線2ルートで運行中の北区では、民間バスが廃止になった区間をはじめ、各地で新たな路線を走らせてほしいと住民が要求。共産党区議団も実現のために奮闘しています。同区では町内会連合や自治会、医師会も区に要望するなどの広がりを見せ、超党派的な運動へと発展しています。

「赤字」を乗越え
 行政が、住民の生活要求でもあるコミュニティバスの導入に応じない一番の理由は「採算が取れず、赤字になる」ことです。区内全域を4路線で運行している台東区では、発想を大きく変え、路線の拡充を図っています。
 2001年、住民の要望や共産党区議団の提案で浅草エリアから運行を開始した同区のコミュニティバスは、高齢者の要望を受け、3月末からは大きな病院近くを通るコースを、隣接区とも協力して進める予定です。
 区の石川洋二交通対策課長は「高齢者が気軽に街へ出るようになることが大事。健康のためや福祉の負担減にもつながり、観光客増ともあいまって地元の産業が潤うことにもなる。誰のために何をやるのか、発想の転換が大事」と語りました。公共交通としてのコミュニティバスの役割を強調し、「今後、住民要望はますます強くなる」と予想しています。

意義を再考すべき
コミュニティバスに詳しい地域生活研究所
三浦一浩さん(37)の話
 コミュニティバスの運行が、ここまで広がったのはよいことです。今後、交通弱者はどんどん増えるでしょう。コミュニティバスを公共交通として走らせる意義を再度考え、市民と共に進めていくべきだと思います。どこに住んでいようとも、不便なく暮らせるよう市民同士が助け合い、自治体エリアを超えた取り組みが、求められるのではないでしょうか。