ご飯論法*ブラック企業*安倍政権②

上西 手厚い若者への支援大切
吉良 国会の追及が現場の力に

─上西さんは、一貫して働き方やブラック企業の問題に取り組んでおられます。
 上西 私は大学の教員として、労働問題を研究してきました。学生に、新卒採用にあたって、社会が何を期待しているのかを伝えるのは大事なことです。
 しかし、そうした要請だけを意識に内面化して社会に出た人が、劣悪な働かされ方につぶされてしまう現実があります。何かトラブルがあっても、「言ったら自分の居場所がなくなる」と思ってしまう。
 送り出した側の責任として、卒業生の姿などを見ていて、このままではだめだと感じたんです。社会人として自分の身を守るため、労働法を知るとか、労働組合に相談してみるといった知識が必要になる。でも、私には教えられる知識がなかったので、労働組合や弁護士の方たちとつながっていったという経緯です。
 吉良 私も、候補者の時からずっと「『ブラック企業』をなくしたい」と訴え、国会でも取り上げてきましたが、多くの若者が「やめたくてもやめられない」状況にあることが問題だと感じています。
 ある調査では、労働法違反と思われる働かされ方をしていると認識している人が、半数以上(POSSE 若者の「仕事」アンケート調査)にのぼるという結果がありました。その違法状態を認識した人のうち、7割が「何もしなかった」と答えています。
 違法と認識しながら、声を上げられない、仕事をやめられないという状況を変える、非常に幅広い問題なんだというのが、6年間、取り組んできての実感です。
 例えば、そのひとつが、国会で取り上げた奨学金ローンの問題です。日本学生支援機構が悪質金融業者のような取立てをしているなか、多額の借金を返し続けるプレッシャーから、「ブラック企業」を辞められなくなっています。
 上西 失業保険も、「やめたくてもやめられない」問題のひとつですね。多くの若者が、不安定雇用だったり、雇用期間が短かったりで、失業保険を受けられない。収入が途絶えてしまうので、劣悪な企業に再就職せざるを得ません。失業保険や生活保障、公的な住宅など手厚い政策が必要です。

 ─吉良さんのこの間の成果の一つに、「ブラック企業」の企業名公表があります。
 吉良 2015年2月の予算委員会で、安倍首相に直接、質問しました。牛丼チェーンのすき家の例をあげて、違法を繰り返す悪質な企業名を公表すべきだと求めました。
 すき家は、労働基準監督署から2年の間に104件もの是正勧告を受けていました。質問では、最初に是正勧告が出されたとき、もしくは数回繰り返されたところで企業名を公表していたら、多くの労働者が救われたのではないか、とただしました。安倍首相は「参考にする」と答弁し、その後、2015年5月に企業名公表の制度が作られました。
 上西 吉良さんもそうだけど、共産党の議員さんって、質問や演説で企業名をちゃんと言いますよね。
 吉良 言います(笑)、ばっちり。
 上西 どんな企業で何が起きているのか、きちんとわかるのが大切で、だから企業名公表も重要です。
 吉良 2018年3月に三菱電気が裁量労働制をやめました。
 大きな理由となったのが違法残業や過労自殺が起きて、企業名が公表されるのを恐れたからだったと報道されています。国会で追及し作られた制度が、現場で「ブラック」と言われる働かせ方をなくす力になっている。本当によかったと思います。