具体的提案で貴重な前進
 都議会第3回定例会が5日、閉会しました。日本共産党は、開場を目前に控えた豊洲新市場の問題をはじめ、福祉、教育、防災対策、猛暑対策、横田基地へのオスプレイ配備など、都民の暮らしの切実な問題の解決に向けた具体的提案を行い、重要な前進につなげています。
 
市場問題
 豊洲新市場の開場(10月11日)を目前に開かれた今回の定例会。「食の安全・安心を守る」「築地は守る」を公約して知事に就任した小池百合子知事の政治姿勢が厳しく問われました。
 
 日本共産党は公約を破って汚染が残る豊洲新市場への移転を強行することに「強い怒りをもって抗議」を表明。新たに発覚した新市場の地盤沈下・ひび割れ問題を代表質問や経済・港湾委員会で追及しました。
 
 小池知事は「時間の経過と共に収束する。安全に影響はない」と答弁したものの、根拠を示すことはできませんでした。
 
首都高地下化問題
 小池知事は所信表明で、首都高日本橋区間の地下化について、具体化を表明しました。大型道路の巨額の無駄遣いを追及してきた共産党の、とくとめ道信都議が代表質問で取り上げ、事業区間は1・8㌔で事業費は3200億円と見込まれ、1㍍当たり1・8億円、外環道の1・8倍に上ることが明らかになりました。
 
 地下化計画の出発点とされる「日本橋に青空を」の住民運動は、地下化を求めたものではなく、地元の住民からも反対の声があがっています。とくとめ都議は、そうしたことも指摘し、「立ち止まり、都民参加で抜本的再検討」を求めました。
 
 しかし小池知事は、あくまで推進する姿勢を表明し、地下化の具体化で「日本橋周辺が、国際金融都市にふさわしいまちに生まれ変わるように取り組んでいく」と答弁しました。
 
高齢者福祉
 小池知事はこれまで「低所得で暮らす方がいることは私も十分認識しております。そうした高齢者の方々にとりましても、東京を安心して暮らせるまちにしていきたい」と、議会で答弁しています。
 
 今回の代表質問では、どう具体化するかをただしました。知事は「低所得の方への支援も含め、様々な高齢者施策を展開している」と、初めて「低所得の方への支援を含め」と答えました。
 
 都が認知症の診断を無料化するもとで、共産党都議団として初めて認知症と診断されたあとの早期の支援対策の充実を提案。
 
 小池知事は「認知症は早く気づいて、治療を開始すれば進行を遅らせたり、病状を改善することが可能な場合がある。早期の対応や治療に向けた取り組みが重要」と答弁。共産党提案の重要性を認めました。さらに知事は「認知症になっても地域で安心して暮らすことができるように、施策の充実を図っていく」とし、認知症対策の充実を約束しました。
 
中小企業振興
 共産党都議団が一貫して求めてきた中小企業・小規模企業振興条例の検討が始まり、12月都議会への提出が予定されています。
 
 共産党は中小企業・小規模企業の地域の一員としての役割を明確にし、応援する都の姿勢を具体的に示す条例にするよう提案。小池知事は「中小企業は地域の発展や従業員生活の向上に貢献する不可欠な存在だとの意見が多く出されており、そうした内容を条例の中にしっかりと反映していくことが必要」と明確な答弁を行いました。
 
 また共産党は、条例案を検討している都の有識者会議での発言を示し、公正・公平な取引慣行を条例に盛り込むことを提案。都はこうしたことを認めた上で、「条例の中に、中小企業が経済の活性化や地域の発展に貢献する重要な存在であることへの理解を広げる必要性などを、理念として盛り込むことを検討する」「取引のより一層の適正化を図り、効果的な中小企業振興を進めていく」と答弁。大企業による下請けいじめ対策の強化につながる貴重な答弁を引き出しました。
 
海洋プラスチック
 世界的に問題になっている海洋プラスチック汚染対策。共産党都議団は初めてこの問題を取り上げ、日米両首脳が「海洋プラスチック憲章」に署名しなかったのに対し、小池知事が憲章への支持を表明したことを評価。EU諸国では日本のサーマルリサイクル(焼却処分)はリサイクルと認められていないことを指摘し、憲章に沿った都の対応と、プラスチック使用削減対策を求めました。
 
 小池知事は「海洋プラスチック問題は、きわめて重要な課題」との認識を示し、「都として、いち早く、海洋プラスチック憲章を強く支持する旨を表明した」と答弁し、都として同憲章を支持する姿勢を明確にしました。さらに「使い捨てプラスチックの削減、リサイクルの推進など都独自に講ずべき対策について広く検討を進めるなど、総合的なプラスチック対策に取り組んでいく」と表明しました。
 
防災対策
 全国で豪雨による深刻な被害が多発する中、日本共産党は都内にも避難所や老人ホームなどの要配慮者利用施設の中に、土砂災害要警戒区域内に建てられているものが少なからずあることを指摘。都として調査し対策を取るよう求めました。
 
 都は「避難所や24時間滞在型の要配慮者利用施設の有無などを調査している」「土砂災害対策を着実に進めていく」と前向きな答弁をしました。
 
 また、地震発生時に自動的にブレーカーを落とし、電気火災を防止する「感震ブレーカー」設置への補助を求めたのに対し、小池知事は「一定の効果がある」と初めて評価。補助制度創設については触れませんでしたが、今後につながるものです。