豊洲移転差し止めを:築地の仲卸業者らが提訴

汚染土壌除去 約束果たされてない

(写真)会見する山口原告団長(前列右から4人目)と宇都宮弁護士(右隣)ら=19日、東京・霞が関の司法記者クラブ

東京都築地市場(中央区)で営業する仲卸業者ら56人は19日、都が強行しようとしている豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)への移転差し止めを求める訴訟と、差し止め仮処分の申し立てを東京地裁に行いました。原告側は「豊洲市場の土壌汚染は解決されておらず、安全・安心は確保されていない」とし、憲法で保障されている人格権が侵害されるとしています。

提訴後、山口タイ原告団長(築地女将=おかみ=さん会会長)ら原告12人と宇都宮健児弁護団長が、司法記者クラブで記者会見しました。

宇都宮氏は、土壌・地下水の汚染を無害化する約束を都が全く履行せず、安全性検証が極めてずさんな状況の下で行った小池百合子知事の「安全宣言」は信頼できないと批判。▽豊洲に移転すれば消費者の不安も大きくなり、原告の営業は大打撃を受ける▽有害物質の汚染が残る市場で働く仲卸業者らの健康がむしばまれる―などの点を挙げ、豊洲市場への移転は、原告らの生命・身体・精神、生活に関する利益(人格権)が侵害される危険性が極めて大きいと述べました。

山口さんは、都が掲げていた新市場の「盛り土」「地下水管理システム」「東京ガス操業由来の汚染物質は全て除去」「効率的な物流」はすべてウソだと指摘し、「移転計画が中止にならなければおかしい」と語りました。

都は築地市場の営業を10月6日で終了、同11日に豊洲市場の開場を強行する計画です。

(「しんぶん赤旗」2018年9月20日付より)