【原水爆禁止世界大会】東京の学生 ツアー企画/核兵器本気でなくす

2018年7月21日

8月22日から9日まで広島・長崎の両市で開かれる原水爆禁止2018年世界大会。

東京都の大学生は世界大会へのツアーを毎年企画し、今年も40人以上が参加する予定です。 (原田浩一朗記者)

東京学生ツアーは、「学生9条の会」のメンバーでつくる「Peace Night(ピースナイトナイン)が呼びかけ、数年前からとりくまれてました。

被爆地のフィールドワークにとりくむ学生たち=2017年8月10日、長崎市(「しんぶん赤旗」提供)
今年は8月4日から7日の日程で、世界大会・広島に参加します。

行きは新幹線、帰りは夜行バスを使います。

10人の事務局

大学2年生の鶴谷琴美さん=仮名=(19)事務局の一員です。

「事務局体制になったのは昨年からで、私は2度目の事務局です。 昨年は世界大会参加自体も初めてで、”ついていく感じ”でしたが、今年は経験も生か して主体的に関われているかな」と日に焼けた顔をほころばせました。

現在、10人の事務局員が参加の呼びかけと組織、ツアー中の学生独自の企画の立案や準備、旅行に必要な様々な手配と忙しい毎日を送っています。

参加学生1人当たり1万5,000円の補助を実現するためのカンパにもとりくんでいます。目標は75万円。
鶴谷さんは、昨年の 学生ツアーで世界大会・長崎に参加し、初めて被爆者の体験を聞き、被爆の実相に触れました。

宿舎では、5人ずつの分散討論で感想や意見を交流。
「私も同感」「そういう感じ方もあるんだ」と自分の考えが明確になっていきました。

「自分の無知さが怖くなりました。実は、高校まで歴史は嫌いで、太平洋戦争が終わった8月15日も、広島に原爆が投下された8月6日、長崎の8月9日も、覚えていなかったのです」
「爆心地からの距離で線引きし、それより遠くで被爆した被爆者を原爆症と認定しない日本政府に、怒りを感じました」

考え変わった

昨年5月に福島県の東電第1原発事故の被災地をフィールドワークした鶴谷さん。

理不尽な線引きで被害者を分断し、被害をできるだけ少なく見せようとする政府の姿勢と重なって見えました。

「”平和は、みんなが望むもの” から、”平和は、政府に働きかけて動かさないと実現できないもの” へと考えが変わりました。核兵器は、本気でなくしたいと思いました」と振り返ります。

歴史に興味がわき、関連する本や漫画を読むだけでなく、今年2月には、事務局の事前学習として、ビキニ事件で被災した第五福竜丸の展示館見学を中心になって企画。
3月には戦前の植民地支配の歴史を学ぶ学生の韓国ツアー、沖縄の高江や辺野古のツアーにそれぞれ個人で参加するなど、行動的になってきました。

「学生ツアーに参加して学び、語り合えば自分の世界が広がる大きなきっかけになると思います」

(2018年7月21日付「しんぶん赤旗」より)