東京10区補選 市民団体と政策協定
鈴木庸介予定候補 格差是正など10項目

記者会見後、勝利への決意を固め合う(前列左2人目から)鈴木庸介、森田共同代表、岸氏ら=8日、東京都豊島区
記者会見後、勝利への決意を固め合う(前列左2人目から)鈴木庸介、森田共同代表、岸氏ら=8日、東京都豊島区

政治の転換へ 岸氏「力注ぐ」

自民党元衆院議員の小池百合子都知事の議員辞職に伴う衆院東京10区補欠選挙(11日告示、23日投開票)で、野党と市民の共同候補の擁立を進めてきた市民団体、TeNネットワーク2016(TeN16、森田彦一共同代表)は8日、都内で記者会見を開き、野党統一候補となった鈴木庸介氏(40)=新、民進党公認=と10項目の政策協定(で合意し、推薦候補として支援すると発表しました。鈴木氏が野党統一候補となったことを受けて、日本共産党の候補だった岸良信氏は立候補を取り下げ、鈴木氏勝利のために奮闘する決意を表明しました。

合意された協定は、▽アベノミクスで広がる貧困と格差の拡大を是正する経済政策の推進▽大企業や富裕層への優遇税制の見直し▽安倍政権による憲法9条の「改正」に反対▽安保関連法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回▽原発に依存しない社会の実現―などとしています。

会見で鈴木氏は「今の政権では、この国は持たないと確信している。一つの目標に向かって、よりよい地域、国をつくるために力を入れていく」と決意を述べました。

岸氏は「政策協定に基づいて、ともに政治を変えるために力を注いでいきたい」と語りました。

TeN16の森田代表は、協定合意の経過を説明し支援を呼びかけました。

衆院東京10区は、豊島区と練馬区の一部が選挙区で、選挙戦は自民党からの議席奪取をめざす鈴木氏と自民・公明推薦の若狭勝衆院議員との一騎打ちとなる見通しです。

 


野党と市民の共同さらに 立候補を取り下げた岸氏とともに会見

記者会見後記者の要望に応える(前列左から)鈴木庸介候補、森田彦一TeNネットワーク共同代表、岸良信氏ら=8日、東京都豊島区
記者会見後記者の要望に応える(前列左から)鈴木庸介候補、森田彦一TeNネットワーク共同代表、岸良信氏ら=8日、東京都豊島区

8日、衆院東京10区の補欠選挙で、野党と市民の共同をすすめてきたTeNネットワーク2016(TeN16)が開いた記者会見。豊島区・池袋駅近くの会場では、野党統一候補としてたたかう鈴木庸介氏(民進党公認)と日本共産党の候補だった岸良信氏が市民とともに手を取り合い、必勝への決意を固め合いました。

岸氏は、共産党としての今後のたたかい方について問われ、「市民のみなさんとともに、鈴木さんを応援していく。対面や電話による活動や宣伝で支持を広げていきたい」と語りました。

出席した市民からは「野党と市民の共同候補を広げよう」の声があがり、共感の拍手が起こりました。

この日の記者会見には日本共産党から米倉春奈(豊島区)、松村友昭(練馬区)の両都議、坂尻まさゆき練馬区議らが参加しました。

鈴木候補勝利へ支援 岸氏が決意表明

記者会見する岸良信氏=8日、東京都豊島区
記者会見する岸良信氏=8日、東京都豊島区

日本共産党の岸良信衆院東京10区補選候補(党豊島地区委員長)は8日、立候補を取り下げるとともに、市民と共同して鈴木庸介候補勝利へ支援に取り組むと決意表明しました。

一つの目標をめざして、今の暴走政治をストップさせるということで、10月5日に書記局長・幹事長会談が行われ、野党共闘が合意されたことをもって、私は立候補を取り下げることにしました。
この政策協定に基づいて、一緒に何としても政治を変えるために力を注いでいきたい。(野党共闘について)できるところを、だんだんだんだん、一緒にやっていけるところで、共同を広げていければと思っています。

合意した政策協定書

TeNネットワーク2016が鈴木庸介氏、岸良信氏と合意した政策協定書の内容は、以下の通りです。

①アベノミクスで広がる非正規雇用と貧困層の増大や格差の拡大を是正する経済政策を推進する

②教育の無償化をめざし、返済不要の給付型奨学金を創設する

③大企業や富裕層への優遇税制を見直し、税金の所得再分配機能を回復させるべく税制を改革する。

④安倍政権による憲法9条の改正、緊急事態条項の追加に反対し、すべての人の人権を大切にする社会を目指す。

⑤安保関連法を廃止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回させ、立憲主義を回復させる。

⑥集団的自衛権の行使を許さず、平和的、人道的な国際貢献を目指す。

⑦若い人も将来に希望が持てる年金制度に改革する。当面、年金積立金運用方法を抜本的に見直す。

⑧妊娠から出産、子育てまで切れ目ない支援をおこない、介護保険制度を充実させ、希望ある社会をつくる。

⑨中小零細企業を支援・育成する

⑩原発に依存しない社会の実現をめざし、再生可能エネルギーの推進を図る。

(「しんぶん赤旗」2016年10月9日付より)