日本共産党東京都議団(吉田信夫団長、17人)は8月30日、「2020年東京オリンピック費用の削減と透明化に向けた提言」を発表しました。その全文を紹介します。

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日本共産党都議団はこれまでも、際限のない都負担の拡大と不透明な財政運営をただし、2020年東京オリンピック・パラリンピックの取りくみが五輪憲章に沿うものになるよう、経費縮減策をはじめとする様々な積極的提案を行ってきました。
都も、既存施設の活用など一定の経費縮減をおこないました。しかし舛添前知事が昨年、新国立競技場整備費負担で国などの圧力に屈してから、都財政負担は拡大の方向に進んでいます。
こうしたもとで、小池知事が調査・検討をはじめるにあたり、五輪費用をめぐる経過について都民に全面的に明らかにし、透明化をはかるとともに、費用削減にむけ、下記の提案をおこないました。

◆はじめに

2020年東京オリンピック・パラリンピックまで4年に迫りましたが、競技場 整備などの東京都の負担はとどまることなく増大しています。現時点で明らかにな っている東京都負担総額は3500億円を超え、立候補ファイルで示された都負担 額1538億円の2・3倍になっています。 増大の要因は、都立競技施設整備費や選手村整備の都負担が増加していること、 国の責任で整備すべき新国立競技場の整備費用の4分の1が都に押しつけられ、さ らに関連経費も都負担となっていることなどです。

 

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さらに現在、組織委員会の責任である仮設施設の整備費や会場内警備などの費用 まで、都に負担を求める動きがあり、都負担は歯止めなく増加しかねません。 こうした事態は、都民施策に財政的影響をもたらし、五輪への都民の理解と支持 も損なうものです。

小池知事は先の知事選で「五輪・関連予算運営の適正化」を公約にかかげ、出馬 会見では「オリンピック・パラリンピック予算を良く精査し」「都民のために使って いく」と表明しました。そして就任直後の会見で、五輪に関する調査チームをもう け、予算の軽重や入札などの妥当性のチェックをし、都民に示すと述べました。 こうした公約がどのように実行されるのか、調査チームのとりくみが、国・都・ 組織委員会による過大な税金投入と不透明な運営にメスを入れるものになるかどう かが問われています。 日本共産党都議団はこれまでも、際限のない都負担の拡大と不透明な財政運営を ただし、2020年東京オリンピック・パラリンピックの取りくみが五輪憲章に沿 うものになるよう、経費縮減策をはじめとする様々な積極的提案を行ってきました。 都も、既存施設の活用など一定の経費縮減をおこないました。しかし舛添前知事が 昨年、新国立競技場整備費負担で国などの圧力に屈してから、都財政負担は拡大の 方向に進んでいます。 こうしたもとで、小池知事が調査・検討をはじめるにあたり、五輪費用をめぐる 経過について都民に全面的に明らかにし、透明化をはかるとともに、費用削減にむ け、以下、とりくむよう提案するものです。

 

1、都立競技施設の計画見直しと整備費縮減

都が責任を負う都立競技施設の新規建設については、バスケットボール会場など 3施設が既存施設の活用に見直されたものの、整備費総額は2424億円(用地費 含め)と立候補ファイルにくらべ1.6倍、約1千億円近く増加しています。

(1)整備費増加の要因を精査し、規模の見直し・設計変更などで縮減をはかるこ と

アクアティクスセンターは整備費が683億円と高額ですが、その要因の1つは、 客席数をIOC基準(1万2千席)や北京・ロンドン五輪を上回る2万席で設計し ていることです。しかも大会直後に5千席に縮小するために74億円も投入する計 画です。現在、実施設計段階にあり、客席数を縮小すれば、整備費も改修費も縮減 できます。こうした精査・見直しを各施設で行うべきです。

(2)後利用や維持管理の収支計画を精査し、仮設も含め抜本的に見直すこと

新規建設する多くの施設は、巨額な費用を投入しながら、後利用や維持管理費の 収支計画が不明確です。とりわけ海の森水上競技場の整備費は491億円と高額で すが、五輪後の利用見通しは不透明で、収支計画は明らかにされていません。 知事はリオデジャネイロでの会見で、リオ五輪では施設を「ホワイト・エレファ ント」(無用の長物)にしない努力をしていると評価しました。都としても各施設に ついて、後利用とその収支計画を精査し、見通しが不明確な場合には、仮設施設へ の切り替えも含め計画自体の見直しを決断すべきです。

 

2、五輪の総事業費および組織委員会の収支計画の公表と費用削減

五輪の総事業費が2兆円、3兆円といわれながら、組織委員会は収支計画をいま だに公表せず、その一方で、費用の増加を理由に、国・都・組織委員会の3者が、 費用等の役割分担の見直し協議を密室で行ってきたことは重大です。

(1)組織委員会は都の出資団体であり都として財政運営の監査、公表をすること

組織委員会は東京都が出資金の97.5%を負担しており、本来監理団体として 指導監督すべきです。また、地方自治法第199条7項では、地方公共団体が損失 補償をしている団体及び4分の1以上を出資している団体は監査の対象となると規 定しています。したがって、ただちに組織委員会の収支計画や財政運営が適正かど うかを監査し公表するとともに、系統的に監査する仕組みをつくるべきです。

(2)費用削減に手だてをつくし、都は本来の役割・責任をこえた負担を受け入れ るべきではない

施設整備および大会運営の役割分担は立候補ファイルで明確に定められており、 新国立競技場整備費につづき、さらに都の役割・責任ではない分野に都民の税金投 入をすることは許されません。3者の密室協議は中止し、これまでの検討、協議の 経過の全容をすみやかに明らかにするとともに、都民に開かれたオープンな議論に より、組織委員会として費用の削減に力をつくすべきです。

(3)増加分については国の負担、民間の協力を求めること

ロンドン五輪では、競技場整備費などへの公的負担において、英国政府が67% を負担、大ロンドン市の負担は10%(公社負担含め)となっています。またリオ 五輪では、国とともに民間が負担の多くを担ったと報道されています。こうした先例をみても、費用がどうしても増加する場合は、都に押し付けるのでなく、組織委 員会が本来の責任を果たすとともに、政府にも開催国としての責任を求めるべきで す。また、民間の協力を求めるべきです。

3、公平公正な事業と契約の推進

知事は、オリンピック・パラリンピック調査チームの役割として入札等に関する チェックをあげていますが、五輪に関係する契約や事業については、公平公正が貫 かれなければなりません。

(1)五輪関連のすべての請負契約について、契約の経過と議員の口利きの有無な どを調査すること

五輪関連の請負契約については、組織委員会による契約もふくめ、すべての請負 契約の内容や選定経過、議員による口利きの有無など全面的に調査し、調査結果を 公表することを求めます。

(2)選手村、神宮外苑開発などをめぐる経過も調査し公表すること

選手村の整備は大手デベロッパーが計画から建設まで深くかかわって進められて います。また神宮外苑地域では、新国立競技場の整備と連動して地権者や特定の団 体を優遇した周辺再開発が進められています。これらについても、調査し、公表す べきです。

以 上

(「しんぶん赤旗」2016年9月2日付、及び日本共産党都議団ホームページより)