米兵救出で自衛官犠牲も
宮本徹議員が衆院安保特委で追及

2015年7月9日 ,
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質問する宮本徹議員
=8日、衆院安保法制特委

政府・与党が戦争法案の来週採決へ向けて動きを強める中、日本共産党の宮本徹議員は8日の衆院安保法制特別委員会で、法案と一体の日米新ガイドライン(軍事協力の指針)の下で進む日米軍事一体化の危険性を告発し、廃案を強く求めました。

戦争法案では、従来は禁じていた「戦闘地域」への派兵を認め、銃弾が飛び交う「戦闘現場」になっても「捜索・救助」活動であれば活動を継続しうるとしています。

宮本氏は、「捜索・救助」活動について、米軍は、パイロットを再び戦闘できるように戦列に復帰させ、士気を維持するのに不可欠な任務としていることを指摘。「政府は人道的な活動というが、米軍は(『捜索・救助』を)軍事作戦に位置づけているとの認識はあるのか」とただしました。

中谷元防衛相は「軍事的手段の一つ」と認めました。また、「捜索・救助」活動の継続は、「自衛隊の部隊が遭難者の所在する場所に到着し、すでに救助活動を始めているとき」にのみ認められるとの見解を初めて示しました。

宮本氏は、軍事作戦として「戦闘現場」で活動を継続することは大きな危険が伴うとして、「一人の米兵を救出するために、複数の自衛隊員が犠牲になるというケースも考えられる」と指摘。「戦闘現場」で自衛隊に軍事作戦を遂行させる同法案は、憲法が禁止した「武力の行使」そのものだとして、「憲法違反は明白だ」と強調しました。

戦闘現場での捜索救助活動 武力行使そのもの

宮本徹議員は、戦争法案に盛り込まれた「戦闘現場」での「捜索・救助」活動について、「憲法が禁止する『武力の行使』そのものだ」と追及しました。

宮本氏は、「戦闘現場」にとどまって「捜索・救助」活動を行えば、「自衛隊員にも戦死者が出ることになる」と追及。政府が「安全を確保して『捜索・救助』活動を行う」としていることについて、「『戦闘現場』でどうやって安全を確保するのか」と再三にわたって問いただしました。

しかし、黒江哲郎防衛政策局長は「相手方の武器の能力等を判断する」などと答弁。中谷防衛相も「安全が確保されているか否かは、個別具体的な状況に即して判断する」というだけで、まともに答えられませんでした。

さらに、宮本氏は「『戦闘現場』で活動を継続する場合、武器は使用するのか」と追及。中谷防衛相は「武器使用はできる」と述べましたが、「自己保存のための自然的権利であって、憲法9条で禁じられた『武力の行使』には当たらない」と開き直りました。

宮本氏は「『自己保存』というなら、戦闘現場での活動を継続せずに、中断すればいい」と指摘。「『戦闘現場』で、任務遂行のために武器を使い、戦闘行為を続けることは『武力の行使』そのものであり、憲法違反は明確だ」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」2015年7月9日付より)